【進路選び】英語を使って仕事がしたい人が英文学科に行くべきでない理由

国旗

英語が好きだから、将来は海外で働きたいんです!
だから英文学科に進もうと思ってて。

その気持ち、すごくわかるよ。僕も高校のときは同じように思って、実際に英文学科に進んだんだ。

やっぱりそうなんですね!英語ができれば、グローバルな仕事にもつながりますよね?

うーん…実はね、英語だけじゃ“グローバルなキャリア”は築けないって、社会に出て痛感したんだ。

「英語を使ったグローバルなキャリアに憧れて、英文学科を目指そうとしていませんか?」

もしあなたがそう思っているなら、少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
実はその選択が、将来あなたの“武器”にはならないかもしれないのです。

僕自身、中学生の頃から英語が大好きで、いつか世界を舞台に仕事ができたらいいなと漠然と思っていました。英語が話せるようになれば、自然とグローバルな仕事に就けるはずだ――

そんな思いで、同志社大学の英文学科を選びました。

大学ではシェイクスピアや英詩、言語学、文化論など、英語に関する多くの知識を学びました。もちろん、英語力は鍛えられました。でも、それだけでは「グローバルキャリアに直結する力」にはならなかった――
それが、外資系IT企業で3年間働いた今の正直な実感です。

だからこそこの記事では、

「英語を使って働きたい」「将来はグローバルな舞台で活躍したい」と考えている人こそ、“英語の勉強”ではなく“英語+専門性”を大学で身につけるべきだ

という話を、僕の実体験も交えながらお伝えしたいと思います。

目次

海外と日本の「学部=専門性」文化の違い

日本では、大学の学部選びにそこまでシビアな意味を持たせることは少ないですよね。

「とりあえず英語が好きだから」「将来何かに役立ちそうだから」という理由で文系学部を選ぶ人は珍しくありません。僕自身もそうでした。

でも、海外では大学の専攻=その人の専門性であり、将来の職業選択に直結するという考えが非常に強く根付いています。

例えばアメリカやヨーロッパでは、「大学で何を学んだか」がそのまま履歴書に専門性として書かれ、それがその人の職業的な“信頼”に直結します。


経済学を専攻すれば経済分野でのキャリア、エンジニアリングを学べば技術職へ…というように、大学で学んだことの“延長線上”にキャリアがあるのが一般的な考え方です。

実際、僕が新卒で外資系IT企業に入社して、同僚の外国人と話しているときにこう聞かれました。


「君は何を専攻してたの?」と。
「英文学」と答えると、“Why are you here?”(なんでここにいるの?)という反応をされることがほとんどでした。

最初は軽く流していたのですが、何度も同じリアクションを受けるうちに、「あれ?何かズレてるのかも」と違和感を覚えるようになりました。

大学時代、留学生と話していても同じような経験があります。

「英文学を勉強してるよ」と伝えると、決まってこう返されるんです。
「将来は英語の先生になるんでしょ?」

これはつまり、英文学=英語教育や研究を専門にする人のための学問というのが、彼らにとっての当たり前だったということ。

このように、海外では「専攻とキャリアは一対」であるという文化があります。逆に言えば、「専攻と無関係な職業に就く」というのは、ちょっと奇妙なことに見られてしまう。

だからこそ、「英語を使いたいから英文学科」ではなく、「どんな専門性を持って、英語を使って何をするか」を考えたうえで学部選びをすることが、本当の意味でのグローバルキャリアに近づく第一歩なんです。

英文学科卒が評価されにくい理由

英文学科って、就活のときも英語力をアピールできて有利なんですよね?

実はね、“英語ができる”だけじゃ、企業にはあまり評価されないことも多いんだ。

まず大前提として、英語力は「目的」ではなく「ツール」だということを理解しておく必要があります。

グローバルに働きたいから英語を学ぶ。それは間違っていません。でも、実際のビジネスの現場で求められているのは、英語の“知識”そのものではなく、「英語を使って何ができるか」という実用性なんです。

たとえば就職活動で企業が評価するのは、「文法に詳しいかどうか」や「文学作品を読めるかどうか」ではなく、「会議で発言できるか」「英語で資料をまとめられるか」「海外の顧客と交渉できるか」といった“使える英語力”です。

もちろん、英文学科でも英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)は学びます。ただ、その比重はそれほど大きくありません。


実際のカリキュラムは、英詩や小説を読み解く文学、言語の成り立ちを学ぶ言語学、英語教育に関する理論など、「英語の知識を深めること」に重点が置かれているのが一般的です。

だからこそ、英語を“使える力”として身につけたい場合は、英文学科に入らなくても、オンライン英会話、留学、ワーホリ、独学などで十分にカバーできるというのが現実です。

むしろ、英語以外の専門性――たとえば経済、経営、理工、デザインなど――を大学でしっかり身につけたうえで、英語は自力で磨くというスタイルのほうが、就職市場では断然評価されやすいのです。

特に外資系企業やグローバル企業では、「英語ができる」だけでは正直弱いです。それよりも、「英語ができて、さらに〇〇ができる」という掛け合わせの力が求められます。

英語は、あくまで「手段」であり「ツール」。


「英語で何ができるか」が問われる時代だからこそ、英語“だけ”の人材には厳しい評価が待っているという現実もあるということを、ぜひ知っておいてほしいと思います。

英語を武器にするなら、どの学部を選ぶべき?

では、「英語を使って働きたい!」と思っている人は、どんな学部を選べばいいのでしょうか?

結論から言えば、英語に“専門性”を掛け合わせられる学部がおすすめです。

たとえば以下のような分野が挙げられます:

  • 経済学部・商学部・経営学部:国際経済、貿易、マーケティングなど、英語がそのまま実務で活かせるシーンが多く、外資系企業やグローバル市場を相手にするビジネス職と相性が抜群です。

  • 国際関係学部・国際教養学部:グローバルな政治・文化・ビジネスの構造を学びながら、英語でディスカッションやレポートを書く力も自然と鍛えられます。

  • 情報系学部(情報工学、データサイエンスなど):IT業界は特にグローバル化が進んでおり、英語の技術文書や海外の技術者とのやりとりは日常茶飯事。エンジニア職でも高い英語力が重宝されます。

  • 理工学部・工学部:研究・開発職で国際学会や外資系メーカーと関わる場面が多く、英語で成果を発信する力が必要になります。

このように、「英語+専門性」があると、就職活動でも圧倒的にアピールしやすくなるのです。

もちろん、「高校生のうちに将来やりたいことが明確になっていない…」という人も多いと思います。

そんな人には、経済学部や商学部をおすすめします。

これらの学部では「企業ってどういう仕組みで動いてるの?」「どんな職種があるの?」といった、ビジネスの基本と職業理解を大学1〜2年生のうちから深めることができるからです。

そこから興味が湧いた分野に専門性を広げていけば、自然と自分のキャリアの軸が見えてくるはずです。


ちなみに、英語力そのものは、英文学科に行かなくても自分で磨けます

今はオンライン英会話、語学アプリ、留学やワーキングホリデーなど、学ぶ手段がいくらでもあります。

実際、僕も大学では英語“の知識”を学んでいましたが、仕事で使える英語力を身につけたのは、大学外の実践的な学び(オンライン英会話や実務)のおかげでした。

\オンライン英会話を二年間やった感想はこちら/
【体験談あり】英会話初心者におすすめ!ネイティブキャンプを2年間使ってみたリアルな感想と効果



一方、英文学科は就職を意識した授業が少なく、キャリアと結びつきにくいため、「何がしたいかわからないまま就活を迎えてしまう」という学生も多いのが現実です。

だからこそ、「英語を使って働きたい」なら、まずは“何を専門として英語を使うのか”を考えて学部を選ぶことが大切です。

英文学科が向いている人とは?

ここまで、「英語を使って働きたい」という目的であれば、英文学科よりも他の学部の方が就職に有利になる可能性が高い、という話をしてきました。

とはいえ、これは「英文学科=ダメ」だと言いたいわけでは決してありません。

むしろ、明確に「英語そのものを学問として深めたい」「言語の成り立ちや歴史に興味がある」「将来は教育や研究の道に進みたい」という強い意志がある人にとっては、英文学科は最適な選択肢のひとつです。

英文学科で学べることは、単なる語学習得を超えています。

  • 英語学(英語の音声変化・語源・文法構造の仕組み)


  • 言語学(言語がどうやって人間の中で習得され、機能しているか)


  • 英語教育学(第二言語としての英語の教え方・学び方の研究)


  • 英文学(シェイクスピアやイギリス・アメリカ文学の分析と解釈)


  • 英語の四技能の習得(読む・書く・聞く・話す)


これらを学ぶことに本気でワクワクできる人であれば、英文学科での学びは他では得られない深みのある体験になります。

特に、将来英語教師になりたい、翻訳家になりたい、英語教育に携わりたいという人にとっては、必要不可欠な学びが詰まっている学部です。


また、英文学科での学びは、単に英語を“使える”ようになること以上に、「英語という言語や文化を深く理解する力」が養われる場所でもあります。これは、独学や語学スクールではなかなか得られない視点です。

まとめ:英語はキャリアの“目的”ではなく“手段”

「英語が得意だから」「英語が好きだから」──そんな理由で英文学科を選ぶ人は多いです。
実際、かつての僕もそのひとりでした。

しかし今、社会人としてグローバルに働いてみて強く感じるのは、英語は“使えるようになること”がゴールではなく、英語を使って“何ができるか”こそが問われる時代だということです。

英語をキャリアの武器にしたいなら、英語そのものを学ぶことよりも、英語を“使って価値を生み出せる専門性”を持つことが圧倒的に重要です。

だからこそ、「英語が得意だから英文学科にしよう」と安易に決めるのではなく、

「英語を使って、自分はどんな仕事をしたいのか?」
「どんな分野で活躍したいのか?」


をまず真剣に考えることが、後悔のない進路選びにつながります。

英語を“目的”にしてしまうと、キャリアの選択肢は限られてしまいます。


でも、英語を“手段”にして、自分だけの専門性を掛け合わせることができれば、あなたの可能性は世界に広がります。

英語力+専門性


これが、これからの時代に本当に価値のある武器になるのです。


\関連記事はこちら/
【独学で偏差値66】塾なしで英語を得意科目に変えた方法を実際の成績推移とともに大公開!

【英語偏差値30台→66】学年最下位から第一志望合格へ。僕がスタディサプリで英語を攻略した体験談

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次